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ああ民主党 H21年12月17日(木)
今週は、書き物が中心で多忙を極めています。机にしばられていると、天気のいい日などはどうかしそうです。
ところで、今朝の報道では、一斉に民主党小沢幹事長が鳩山首相を訪ね、2010年度予算への要望をしたことを伝えていました。 この要望には、民主党への陳情を中心に18項目が重点要望があったと伝えられていますが、その中にはマニフェストで約束したものに反するものも含まれていました。 マスコミが実施した世論調査では、マニフェストの内容に反する政策となってもやむを得ないと回答した回答者の比率が高いと報じられましたが、それにしても無責任。 少なくとも、団体からの陳情であれば誰がどんな形で陳情して、それを党の誰がどんな形で精査して、どんな議論があって党の要望にまとめたのか、民主党は明らかにすべきです。 2009年12月17日読売新聞朝刊、1面では、この要望について小沢幹事長が、可能な限り予算に反映することを要望し、鳩山首相はこの要望に対して謝意を表明したといいます。 予算編成に影響を与えるものであるならば、なおのこと党での取扱について状況と熟議の模様を情報公開の対象とすべきです。 党がつくったマニフェストに反することでも党が要望するのであれば、その尺度や判断基準も国民に明確に示すべきです。八ツ場ダム建設中止の理由を「マニフェストに書いてあったから」という前原国土交通大臣の発言はいったいなんだったのでしょうか。 八ツ場ダムの件に触れたので、明日、久喜市議会で採決を行う「八ツ場ダムの建設を求める意見書」の採決がありますのでこれに関する私の見解を述べます。 ※ 議会の意見書とは、議会が議決によって政府や国会などに議会として文書で意見を述べる制度です。 結論から言えば、私はこの意見書に賛成します。 理由は、民主党というか前原国土交通大臣の見解に矛盾があり、このまま建設を中止を決定づける明確な根拠としては認めがたいからです。 かなりかいつまんで説明します。 民主党の前原国土交通大臣は、9月に八ッ場ダム建設中止についてマスコミに「マニフェストに書いてあることなので」と説明しました。 そして、民主党の先の衆議院選挙でのマニフェスト詳細版「民主党政策集 INDEX2009」では、P41で「大型公共事業の見直し」と掲げて「川辺川ダム、八ツ場ダムの建設を中止し、生活再建を支援します。」と宣言していますが、ここには何の為の中止なのかが一切書かれていません。 そこで、政策の大枠を示した民主党の「マニフェスト 2009」を見ると、このマニフェストの①で、ムダづかいをなくすとして川辺川ダムと八ツ場ダムの建設中止を高らかに掲げていますので、八ッ場ダムは、ムダづかいをなくすために建設を中止して生活再建を支援するということが分かります。 しかし、前原国土交通大臣は、9月26日に熊本県の川辺川ダムを視察した後の記者会見において、川辺川ダムも八ッ場ダム建設と同様に建設を中止した方が、建設を続けた場合よりもコストがかかっても建設を中止すると表明しました。(2009年9月27日、読売新聞、毎日新聞各朝刊1面) 経済学では、有名なコンコルドの誤謬という話があって、既に利益やコスト回収の目処が立たなくなったものについては、これまでのコスト負担が切り捨てられない心理になり、追加的なコストを増やす懸念が出てくる。そうすると深みにはまり、企業であれば破綻結果になると言われています。 つまり、無駄と分かったら、これまでのコストを見切ってでも事業を中止しないと結局はそれ以上の大損をするということです。 今回の八ッ場ダムの建設中止は、こんな考えからマニフェストに「ムダな事業の中止」として掲げていたものだと理解していたのですが、コストが増えても中止するという前原国土交通大臣の考え方が私には理解できません。 ただ、中止になってもコスト増となる部分が、ダム建設に伴う生活再建のための支援であり、民主党が言うムダづかいには入らないと考えているかも知れません。 しかし、ダムが完成して、治水上や利水上の便益が少しでもあるのであれば、仮になかったとしてもこれから追加的に発生するダム建設と維持のコストが生活再建のための支援を上まわらなければ、国民生活にとってダムはムダとは言い切れません。 国民の生活が一番と公言しているのですから、国民負担の観点からもこの矛盾を解消すべきです。 また、治水上、利水上、八ッ場ダムの建設が不必要だというのであれば、建設中のダムのコンクリートをはがし、元の自然に近い形に近づける。復元することで財政的な負担は増えますが、これは国民生活全体、特に将来世代の子ども達のためには必要であり、事業中止の為の新たなコストとして、これはムダではないとマニフェストで主張すべきでした。 政府は、ダム以外の治水・利水のあり方を再検証する有識者会議を設置することを決定していますが、未だに具体的な内容は明らかになっていません。 この状況で埼玉県知事らは「マニフェストに中止を掲げた時点での検証の内容、すなわち八ッ場ダム建設中止の方針を決定した具体的な根拠について、速やかに明らかにされたい。」(「国による八ッ場ダム建設事業の再検証に対する1都5県知事の緊急申し入れ」2009年、11月13日)と緊急申し入れを行っていますが当然です。 民主党はこれまでの矛盾を弁明すべきです。 私は、このように状況において、前原国土建設大臣、民主党、政府の説明に矛盾を感じ理解をすることができないことから、明日の議会で採決をする「八ッ場ダム建設を求める意見書」に賛成します。
by baribarist
| 2009-12-18 00:02
| 政治
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